コタローのコーヒーと〇〇の話 vol.6

コタローのコーヒーと〇〇の話 vol.6

今回も前回からの続きで「コーヒーと価格高騰の話」の最後になります。また今回は、最近の話題であるEUの森林破壊防止法にふれてお話します。

ぜひこれらの記事を読んだ後にコーヒーを飲みながら、自分の思いや考えを馳せたり、誰かと共有して欲しいと思います。

森林破壊防止法(= EUDR)とは。

EU(欧州連合)の森林破壊防止法とは、EU市場における森林破壊に関連する製品の販売を禁止し、森林破壊を防ぐことを目的としている法律です。

地球の宝!熱帯雨林を守るために!

EU市場から違法な森林伐採による製品を排除。ってことです。

森林破壊防止による、アフリカのスペシャルティコーヒーへの影響

一方、アフリカのコーヒー生産においては、森林伐採が大きな課題となっています。

コーヒー農園の拡大や木材の違法伐採によって、アフリカの森林は急速に減少しています。

EUDR施行の懸念と希望

EUDR施行後どんな事が起こる可能性があるか、少しまとめてみました。

EUDR施行により、以下の懸念が生じる可能性があると思われています。

  • アフリカのコーヒー生産者の収入が減少する
  • アフリカのコーヒー産業が衰退する
  • アフリカの貧困問題が深刻化する

一方で、EUDRによる期待も高まっています。

  • アフリカの森林破壊が抑制される
  • アフリカのコーヒー生産における持続可能な農業 practices が促進される
  • アフリカのコーヒー生産者の生活水準が向上する

EUDR施行後のコーヒー価格

森林破壊防止法とコーヒー生豆価格高騰は、直接的な因果関係はありません。

しかし、間接的な影響は考えられます。

1つは、森林破壊防止法によって、エチオピア政府は森林伐採を規制し、コーヒー農園の拡大を制限しました。

コーヒー農園の面積が減少すると、コーヒー豆の生産量が減少するため、生豆価格は高騰する可能性があります。

コーヒー豆品質への影響としては、森林伐採によってコーヒー農園周辺の森林が減少すると、土壌侵食や土壌乾燥などの問題が発生し、コーヒー豆の品質が低下する可能性があります。

品質が低下したコーヒー豆は、価格が低くなる傾向があります。

結果、森林破壊防止法は、コーヒー生豆価格高騰の一因となる可能性はありますが、唯一の要因ではありません。コーヒー生豆価格高騰は、様々な要因が複合的に作用した結果と考えられます。

例えばEthiopiaでは。

例えばEthiopiaのコーヒー産業では現在、ユーカリ問題という問題を抱えています。

森林破壊防止法自体、環境保護を目的とした法律であり、そのユーカリ問題を引き起こしたのではありません。

しかし、法施行によってユーカリ植林が促進されたことは、ユーカリ問題の一因となった可能性があります。

エチオピアにおける持続可能な森林管理の重要性として、エチオピア政府は、ユーカリ植林による環境問題を認識しており、持続可能な森林管理に向けた取り組みを始めています。

具体的には、ユーカリ以外の樹種も植林したり、植林地の管理方法を改善したりするなどの対策が実施されています。

森林破壊防止法とエチオピアのユーカリ問題は、直接的な因果関係はありませんが、間接的な関係は存在します。

エチオピア政府は、持続可能な森林管理に向けた取り組みを継続し、環境問題の解決に取り組む必要がありますね。

ちなみに『ユーカリ問題』とは。

簡単に説明すると、ユーカリは成長が早く、経済的に魅力的なシェードツリーなんですが、コーヒー豆の品質を低下させる可能性があります。

植える際には、コーヒーの木への影響を考慮しないといけないという問題です。

さいごに。まとめと僕の視点から。

EUDRは、森林破壊を防ぎ、持続可能なコーヒー生産を実現するための重要な一歩です。

難しいことではありますが、私たち一人一人がEUDRについて理解を深め、持続可能なコーヒー消費を心がけることが大切だと思います。

コーヒーの価格高騰は、複雑な要因が絡み合って発生しています。

これらの要因を理解し、適切な対策を講じることで、価格高騰を抑制し、コーヒー産業の持続的な発展に貢献することが重要です。

ただそこには前回に少し話しましたが、消費者、生産者、政府など、あらゆる関係者が協力して取り組むことが重要だと考えています。

また、ここ最近でグンと価格が上がったコーヒー達は、僕個人の考えとしては生産者にとって適正価格に少し近付いたのではないのかなと考えています。

コーヒーの未来に幸あれ。

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