※この記事は2025年3月にANYニュースレターで配信した内容を加筆・修正してお届けしています。
先月のニュースレターでは同じタイトルの前半をお届けしました。今回は前回出てきた「行動経済学で言う所のナッジ(Nudge)」についてもう少しお届けしていけたらと思います。
ちなみに、本編とは関係ないですが、世界初の木造人工衛星「LignoSat(リグノサット)」が2024年12月、国際宇宙ステーション(ISS)から宇宙空間に放出されたことはご存知ですか?
私も先月知りましたが、伝統技法と職人技が新しい未来をつくる注目の世界。たまにこういった内容を知るとなんだかワクワクします。ANYもワクワクを創っていけるように自分たち自身もワクワクしていきます!

“現在志向バイアス”と道徳
気候変動や山林や水の重要さについてよく私はお伝えすることが多いですが、これらは道徳的規範をどれだけ多くの人と共有して実践していくか?という非常に悩ましい問題もはらんでいます。
現在私の最注目学問である、”行動経済学”は人の様々な心理的な部分を経済学と掛け合わせて考える非常に興味深い学問で、ここにヒントがあるような気がしています。
前述の”ナッジ”もその分野の言葉で「隣の人を肘で軽くつっつくように行動を促す」というような意味になります。
そしてこれらは人の習性である”現在志向バイアス(Present bias)”にも効果を発揮します。
“現在志向バイアス”とは人間が将来の大きな利益よりも、目の前の小さな利益を優先してしまう心理的傾向がある。
例えば、
- 将来の報酬よりも即時の報酬を過大評価する傾向
- 長期的な目標よりも短期的な満足を優先する
- 先延ばし行動の原因となることが多い
このような人の習性や特性を理解して”ナッジ”を使ってより善い未来を共創していける仕組みや制度、設計が重要なのだと考えています。
先週触れた渋滞税も、個人の選択の自由はありながら環境問題に良い影響を与えることができる設計だし(そのような意図があるかどうかはわからない)、ANYのコーヒー豆袋がコンポスタブルなのも設計として環境に良い選択を自然にできるようにデフォルト設定にしています。言うなれば「グリーンデフォルト」!
この様に”現在志向バイアス”を理解して上手く(いい意味で)活用することで、遠い未来の事にも行動を促せるようになるのではないかと、思考を巡らせている最中です。

望ましい活動を楽しく簡単にできるようにする。
私たち個人事業主レベルでも国の政策レベルでも色々と将来について良さそうな選択を提供したり設計する事ができるはず。
道徳的規範をどのように培って、育てて、創っていくか?
今まさにこれらについて新しく何かが生まれてきそうな予感がしています。
とはいえ、結果として小難しい事になったり、誰かが無理をしたり損をするような事になってしまってはいけないと思ってます。
哲学的に話を良い意味でこねくり回して考える事も大切ですが、
「誰もが”今”楽しく行動する事が、結果的に道徳規範を伴って”未来”に善い影響を与える」
ような設計や活動を”出来るだけ簡単”にできる様にする事が必要だなと感じます。
と、言葉にしてみたものの、言うは易し行うは難し。
しかしそれでも考える事を続けることが大切。とりあえずスジが良さそうな事、可能性がありそうな事は挑戦していけたらと思います。