コーヒーと見る世界の景色 – エルサルバドル | See the world landscape with coffee – El Salvador

コーヒーと見る世界の景色 – エルサルバドル | See the world landscape with coffee – El Salvador

第二回目「コーヒーと見る世界の景色 – See the world landscapes with coffee 」の国は「エルサルバドル」です。
名前は聞いたことあるけど、なかなかどこにある国か想像しにくいコーヒー生産地の一つではないでしょうか?

アメリカの下のほうに行くとメキシコがありその、さらに下にいくつもの小国がある地域があります。
そこを中米(Central America)と呼びます。
この中米の真ん中辺りにあるのがエルサルバドルです。

今回はこの国が今日本からでは想像もできないくらいファンキーになってると思うので取り上げてみました。どんなファンキーをまとっているのか、コーヒー飲みながら一緒に見にいきましょう。

国名:エルサルバドル共和国

英語表記:Republic of El Salvador
首都:サンサルバドル (San Salvador)
人口:649万人(2020年) 世界 位
GDP:約27,022百万ドル(2019年)
1人辺りGDP:約4,676ドル(2019年)
政治体制:立憲共和制

公用語はスペイン語です。2019年から現職の大統領ナジブ・ブケレさんの全名はナジブ・アルマンド・ブケレ・オルテス。

このブケレ大統領が割と思い切ったことをしてて面白いなと思っています。あとで書きますが”ビットコイン”を2021年9月から法廷通貨にするなど日本だと「ありえないだろう!」と思うような政策ですよね。

コーヒーは発展途上国で生産されているから街は都市化していなくて村みたい所にみんな住んでいるというイメージが強いですが、意外に途上国と呼ばれる国も発展してきているという事実が見えてきます。

ひとまず、エルサルバドルのコーヒー事情について少しみていきましょう!

年間生産量と世界においての生産規模

約80,000tの生産量がるエルサルバドル。
世界第17位(2018年)になります。

比率的には世界のコーヒー生産量からすると1%未満という数字ですが、これはコーヒー大国であるブラジルや他の国がより多く生産している事が要因です。

それでも私たちはよく目にしますよね。

京都にはCoyoteさんのようにエルサルバドルのみのコーヒーを扱うコーヒー屋さんもあります。
エルサルバドルは1980年に起きた内戦の影響でコーヒー生産が衰退したのですが、それ以前の過去には世界第4位のコーヒー生産量を誇っていたそうです。すごいですね。

これは他の国がまだまだコーヒー生産において発展していなかった事も要因として考えられます。
他の中南米の国やアジアでは大量に生産できる品種に切り替えたり、技術革新により効率化されたりしてきたのが大きな要因です。

内戦の唯一?の良かった点はコーヒーの生産が衰退した事で品種の切り替えなどが行われずに今でも在来種が多く残っているそうです。

エルサルバドルでよく見る品種や精製方法

Bourbon(日本語だとブルボンと読むけど発音的にはバーボンの方が英語だと通じる)やPacas(パカス)、Pacamara(パカマラ)など伝統的な品種だと感じるものが多い印象です。

最近ではGeisha(ゲイシャ)などを育てている生産地もあり世界的にハイクオリティーが求められているのが感じられます。
Geisha品種は各国で栽培されるようになってきましたが、世間(市場)がより良いものを求めるあまり生産現場もそれに高く値がつくから栽培してたりする図式は現代ぽいというか、資本主義経済の中心をいっている気がします。

この流れのせいで、森を切り開き、全面Geisha畑にして、元からある自然や生態系が失われる。みたいな事にだけはならなければ良いなと思ってます。大丈夫だと思うけど。

エルサルバドルの精製方法の主たるものはWashedです。
次に思い浮かぶのがHoney Processです。
Naturalもよく見かけるようになりましたがまだ試した事がないので個人的にもNaturalには興味があります。

ただ生産地や生産者によってはWashedはそこの生産地のわずか10%で他の90%はHoneyやNaturalで精製するところもあるそうです。

他にはテスト的に(Experiment Processingとかいう)新しい精製方法、例えばアナエロビック とかを行うことも増えてきたいるそうです。

コーヒー生産にも関わるのか、ビットコイン法

前述したようにナジブ・ブケレ大統領はエルサルバドルの法定通貨として米ドル以外に”ビットコイン”を使えるようにしました。
法定通貨として使えるという事は税金などもこれで支払えちゃうぜ!ってことですよね。
一体どんな戦略やグランドデザインがされているかわわかりませんが、世界的にもまだまだ不安定な仮想通貨、むしろ通貨としてまだ認められていないビットコインを国政に取り込むのは相当な決断力です。独裁政権がなせる業です。

仮想通貨はお金としての価値がフォーカスされることが多いですがその裏にはブロックチェーンという技術が絡んでいます。というかブロックチェーンがそのものです。

改ざん、コピー不可能な暗号でデータを一意のものにする技術になります。

実際に現物としてコーヒーを作っている生産者達にはあまり関係ないかもしれませんが、実はエルサルバドルの国民70%くらいが銀行口座をもっていません

ということはほとんどの人が現金でのみの価値の交換をしていることになります。
そこにビットコインがはいってくるということは70%の国民がビットコインを使えば世界各国と個人間での送金や価値の交換ができる事になります。

出稼ぎに他の国にいっている家族からはビットコインで送金してもらう事もありえます。
なんだったら資産運用なども今までしたことなかった人たちが仮想通貨で資産運用をすることでエルサルバドル国内の経済景色が変わるかもしれません。

変わったらどうなるのでしょう?
デジタルの仕事をする人が増えるかもしれない。
モノの売り買いの価値観が変わり既存のバリューチェーンが変わるかも。

そもそもコーヒー生産よりも価値を生み出せるモノがある事を知ったらコーヒー生産をしなくなるかも。

逆にさらなる技術革新でコーヒー豆(現物)をブロックチェーンで生産地から消費まで確実に追えるようになり生産者が価値をつけれるようになったり、生産データを可視化して価値化したりしてより一層バリューとクオリティを確保できるようになるかも。

と、思いつくかぎりに書いてみましたが全部想像です。直接すぐにコーヒー生産に関わりそうなことはありませんが国民の生活がかわり、一人一人のマインドセットが変われば何か革命めいたものが起こるかもしれません。超絶ファンキーですね。

コーヒーから見る世界経済はおもしろい。

エルサルバドルのようにコーヒー美味しい。から入りどんな国だろう?と興味を持つと日本では考えられないようなことが起きていたり私たちの知らないことがたくさんあったりします。
コーヒーがきっかけで環境問題を意識したり経済格差、貧困国の教育や医療に興味をもった人もいるかと思います。そう思うと、コーヒーって世界へつながるワープトンネルみたいです。
ということで、コーヒーと見る世界の景色#2El Salvadorでした。

次回はどんな景色を見に行きましょうね。楽しみです。

参考文献など:

https://perfectdailygrind.com/2020/11/a-guide-to-coffee-production-in-el-salvador/

https://coffeehunter.com/coffee-country/el-salvador/

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/elsalvador/data.html


あとがき

2022年の2月にANYニュースレターに載せていた「コーヒーと見る世界の景色」のエルサルバドル編を加筆、一部修正して掲載しました。
現在(2023年1月)では、暗号通貨の立ち位置がかなり不安定になっていますよね。2022年11月のFTX破綻は仮想通貨業界のみならず、銀行まで飛び火して今もなお混乱が続いているそうです。


そんな中エルサルバドルの状況はどうなんでしょう?あまり市民まで浸透しなかったおかげで市民レベルではそんなに大きな影響はないのかもしれませんが、国としてはどんな状況で、どんな未来を観ているのか?
少し調べてみましたが、まだ大きなニュースはなさそうだったので今後の動向を気にして新しい情報を待ちます。

1年でこの世界はかなり様変わりしましたが、コーヒーは生産地から遠く離れたこの日本にも相変わらず届いています。ありがたいことですね。感謝ですね。ANYでもまたエルサルバドルのコーヒーを扱う事があると思いますのでその時は是非この内容を思い出しつつ、想いを馳せてみてください。

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